小暮真望のシルクスクリーン版画の世界には、だれもが心に抱く「ふるさとの風景」があります。略歴 1948年 群馬県館林市生まれ 1966年 県立館林高等学校卒業 1972年 明治大学大学院工学部修士課程卒業 (株)本田技術研究所に入社 CVCCエンジンの研究開発に従事以後10年間勤めその間、 初代CITY車のエンジン開発の責任者として又、 軽自動車の総合責任者として、数々の車を世に送り出す 1980年 シルクスクリーン版画技法の工学的到達点に立ち、自然の美をテーマに版画活動に入る 1982年 (株)本田技術研究所を退社 「セリグラフ美術研究所」を設立する 84〜86年 [受賞]日本版画会展 新人賞・東京都知事賞・会友賞 90〜92年 [受賞]オーストラリア・イタリア・ノルウェー国際日本版画展 TIE賞第1位 94〜95年 [受賞]日本版画会展 萬華賞・馬渕賞 1998年 [受賞]オーストラリアアートネットゴールドコースト展 ゴールドコースト市長賞 1999年 [受賞]日本版画会展 第40回記念会員賞 00〜01年 [受賞]日本版画会展 日本版画会賞受賞・文部科学大臣奨励賞 2002年 [受賞]オーストリア新世紀宮廷芸術祭 国会議事堂総長賞 [受賞]チェコ・プラハ宮廷芸術祭 東洋現代美術賞 2007年 [招待出品]フランス・ロリアン ユーロビエンナーレ国際版画展 [招待出品]ブルガリア・ソフィア 日本現代版画展 2012年 [就任]日本版画会会長 2017年 [就任]日本版画会名誉会長 2019年 [招待出品]日本・ギリシャ現代版画展 現 在 日本版画会 名誉会長 (2023年まで) 「尾瀬の郷」 親善大使 「館林市」 ふるさと大使 本返礼品の主要な部分は、東松山市にて生産、製造または加工したものが占めております。
<その他の払込方法をご選択いただいても受付が出来ませんので何卒ご了承ください。> セリグラフ美術研究所
「爽薫 梅の里」 湯河原町の梅の薫りに包まれた白と淡いピンクが織りなす梅林を、大胆な構図、 繊細な色表現で摺り上げました。作品ができるまで 小暮真望が取材に出向き原画を制作する過程から、版におこし作品が完成するまでの様子をスタッフが追いました。
今回は、青森県の奥入瀬渓流の取材に同行しました。出発地の埼玉県から車で約8時間、東北自動車道をひたすら走りつづけ、十和田湖に到着しました。まず、奥入瀬渓流の始まりでもある子ノ口に車を置いて、さっそく遊覧船乗り場におられた地元の方に聞き込みを始めました。
先生にとって奥入瀬は何度も訪れている場所ではありますが、現地で実際に話を聞くことは作品を作る上で欠かせない作業の一つだそうです。聞き込みがひと段落すると、いよいよ奥入瀬渓谷に入っていきます。車に乗って、子ノ口から奥入瀬川に沿って下っていくと銚子大滝が姿を現しました。
車を停め、写真を撮りつつ構想を練っていきます。阿修羅の流れ、石ケ戸の瀬、紫明渓なども訪れ、同様に取材を続けます。取材を終えると、アトリエにて原画作成が始まります。取材で得たイメージや写真を元に原画を作成していきます。次に行う工程は「版おこし」です。
版おこしでは半透明のフィルムを原画に載せ、筆やペンで描き込んでいきます。それぞれ原画で使用した色を1枚1枚のフィルムに分けていきます。基本的に1枚の版につき1色しか摺ることができないからです。この作品では全部で13の版に分解しています。
何色何版にするか色を決める過程が苦労を要するそうです。版おこしが終わると「現像」に移ります。感光性の乳剤を塗った版(スクリーン)に、色ごとに分けたフィルムを密着させて機械を通して焼き付けます。感光させた後、水洗いで現像します。
乳剤が感光しなかった部分は、水洗いすると洗い流されてインクが通るようになります。乳剤が感光した部分は、光によって固まり版の目が詰まった状態になり、インクが通らなくなります。これで版(スクリーン)の現象の完成です。次にインクを調合します。
原画を描いた時と同じ色になるように調合を繰り返します。乾かした時にでる色が原画と合っていなければならないので、調合する都度実際に紙に塗り、乾かして発色を確認して調整していきます。次はいよいよ摺りの工程です。完成した版(スクリーン)の下に版画紙を置き、あらかじめ調合したインクを版(スクリーン)の上にのせて、スキージ(へら状の道具)で一気に摺り上げます。
摺り上がった色が思い通りに行かなければ、インクの調合から何度でもやり直し、一切の妥協も許しません。この工程が一番繊細で集中力が必要な作業だそうです。摺り上がった版画紙は、専用のラックに置いて乾燥させます。乾燥したら、上からさらに次の版を摺り、再び乾燥。
全ての版が摺り終わるまで摺りと乾燥を何十回も繰り返します。地道な作業ですが、版を重ねる度にいよいよ鮮明に浮かび上がってくる景色は、先生の自然に対する愛と情熱を伝え、見る者に感動をもたらします。